| 【平田弘史ファンメッセージボード】 | |||
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リアリティーが凄い
僕の中で劇画とマンガの区別はないのですが……。ただ、強いて言うなら、ヘタな絵のマンガは嫌い です。「ヘタ」とは技術的なことを言うのではなく、他人が作り上げた美や符丁の形式のみを、原典を 知らずに再利用、加工、省略し、歪めていった絵のことです。分かりやすく言うと、例えば日本のアニ メで必要に迫られて独自の発達をした絵柄を、本来何の必然性もない漫画やイラストで使うことであ り、そのぶしつけなチグハグさが大嫌いです。 平田作品との出合いは、「少年キング」に連載された『弓道士魂』です。高校生(中学かも)の時で したが、克明な絵の描写と背景、登場人物のリアリティーが特に印象に残っています。 当時の(そして、今も)マンガは劇画も含め、手塚治虫らの影響によって多くの漫画表現が記号化さ れ、さらに符牒化の一途を辿るのに対し、平田作品の表現は独自性、現実性を増していくのが驚きでし た。 その後、僕の特に好きな作品となる、『 薩摩義士伝』や『 おれたちは生き苦しいのだ』にも出会うこ とになりますが、平田作品の特徴はその表面だけでなく、作中の登場人物に非常にリアリティーがあ り、過去に実際に生きていたような、実在の人物であったような、そんな感じを受けます。 作者の日頃のたゆまぬ研究と綿密な調査、そして真正面から人生に取り組む姿勢がなければ、これは 不可能で、期せずして僕自身が同様に馬鹿正直な製作態度にこだわるようになった時、この平田作品と いう前例がひとつの指針となってくれました。 平田弘史ご本人について言えば、えー、生きた化石。くそ真面目。天才。僕が知る限り、残されたた だ独りの劇画家ですね。 絵描きの僕にとってはイラストレーター以上、物語の読者の僕にとっては小説家以上の存在です。 今回、まとまって復刻される貸本期の作品は平田ファンとしては垂涎の的です。できれば、既に出て いる全集の間の時代の作品の復刻も望みたい。 |