大前仁(おおまえ・ひとし)
1965年生まれ、埼玉大学教養学部卒。自転車ツーリング雑誌「サイクルフィールド」編集長を務めたのち、有限会社大前事務所を設立。ツール・ド・フランスや国内の自転車レースを取材するかたわら輪行袋の開発などにも携わるなど、ツーリング方面への造詣も深い。 山岳サイクリング研究会世話人、日本山岳会会員。

◎自分でやってみよう、と思いはじめたアナタのために
“クロームモリブデン”のパイプで作られた、クロモリ自転車(ルビ=バイク)。
六角レンチ数本とドライバーとスパナがあれば、実は誰でもこの自転車を組み立てることができる。
確実で安全な組み立てを、正確な知識とともに実現できますように……、手を真っ黒にしながら本書を読んでほしい。

◎ROAD BIKE デュラエースSL-7900・Wレバー仕様
デュラエースWレバー仕様のロードバイクは、本書のなかでも特徴的な構成となっている。手組のホイールにWレバーというクラシックなデザインながら、使っている部品はすべて現行パーツ。最新デュラエース7900の構成をなるべく生かしながら、ぎりぎり、Wレバー仕様へとたぐり寄せた完成車だ。テスタッチ・テンスのステアリングコラムはスレッドレスだったので、Aヘッドステムとスペーサーを使ってハンドルの高さを調整する構造となったが、ここがスレッドタイプだと、さらにクラシカルなデザインになるところだ。

◎ROAD BIKE カンパニョーロ・コーラス11s
カンパニョーロ・コーラス仕様のロードバイクは、デザイン的に車輪に迷う。カンパニョーロは現行のラインナップとしてレコードのハブしか残しておらず、今回は手持ちの完組ホイールで組み上げてみた。先頃引退された三船雅彦ロードプロのお下がり、カンパニョーロ・ニュートロンだ。ここにグランボア・セールブリュ700×26C、そしてハンドルはカンパニョーロ・エルゴパワーに合わせて曲げられたという日東・M190ユーロ80という組み合わせだ。クロモリフレームのラインを壊さず、しかし現代風のブラックパーツを生かした仕様を試みた。

◎RANDONNEUR 浅麓堂・スペシャルランドナー
インターネット普及以降、現行部品でないパーツの流通が可能になり、マファック・クリテリウムなどクラシックパーツとされていた部品が手に入れやすくなった。また、スチールフレームや泥よけを見直すムーブメント、ロードバイクのコンパクトドライブ、そしてシクロクロス車がカンティブレーキにこだわってくれているおかげもあって、ランドナーっぽく自転車を仕上げることはそう難しくなくなった。しかし…。自転車マニアたちの最近の合い言葉は「行き着く先は小物」。小さなネジやアウター受けなどの小物が、さすがにもう少ない。願わくば本書をきっかけに、さまざまな小物が再発売されるとうれしい。

◎ROAD BIKE シマノ・デュラエース7900
クロモリのロードフレームに最新のデュラエースをアッセンブルしても、何ら破綻はない。確実に変速し、確実に止まる最新メカの恩恵を受けつつ、スチールの乗り味を楽しむ。これを贅沢と言わずして何と言おう。クロモリフレームをオーダーメイドしたり、希望の色に塗り替えたり……。カーボンフレーム全盛、完組ホイール全盛から時代は折り返し、スチールのパイプごとの乗り心地の違いや、手組ホイールのしなやかさを味わう時代へと、僕らは優雅な機材選びの世界を駆け抜けていく。

【目次】
第1章 クロモリフレームの自転車
1 自転車各部の名称・ロードバイク
2 自転車各部の名称・ランドナー
3 フレーム各部の名称
4 ヘッド小物の違い
5 ネジ山の話
6 フレームの下ごしらえ
7 本書で使用する工具
●コラム クロモリフレームにまつわる規格
第2章 シマノ・デュラエース7900での組み立て
1 フレーム各部のサイズの確認
2 チェーンホイールとBBの装着
3 フロントディレーラーの装着
4 リアディレーラーの装着
5 ホイール回りの準備
6 ハンドル部の組み付け
7 ブレーキ本体の装着
8 ブレーキケーブルのセット
9 シフトケーブルのセット
10 チェーンの装着
11 ペダルの装着
12 ディレーラーの調整
13 サドル回りの装着
14 タイヤの装着
15 バーテープを巻く
●コラム 締め付けトルクの話
第3章 カンパニョーロ・コーラスでの組み立て
1 シートチューブ外径
2 チェーンホイールの装着
3 前後ディレーラーの装着
4 スプロケットの装着
5 核心部・チェーンの装着
6 ブレーキキャリパーの装着
7 エルゴパワーの装着
8 各部ケーブルの取り回し
●コラム 最新パーツとクロモリフレーム
第4章 Wレバーを使ったロードバイクの組み立て
1 Wレバー台座等の確認
2 四角テーパーBBとチェーンホイールの装着
3 Wレバーの装着
4 ノーマルブレーキレバーの装着
5 ペダルの取り付け
6 各部ケーブルの取り回し
7 リアエンドの違いについて
●コラム ホイールのサイズについて
第5章 浅麓堂・スペシャルランドナーの組み立て
1 フレーム各部の仕様をチェックする
2 クロモリフレームの下ごしらえ
3 電装部の準備
4 カップアンドコーンBBの装着
5 TAタイプチェーンホイールの装着
6 バンド式Wレバーの装着
7 フロントディレーラーの装着
8 リアディレーラーの装着
9 シフトケーブルのセット
10 ホイールの装着
11 ボスフリーの装着
12 チェーンの装着
13 ハンドル部の組み付け
14 革サドル回りの装着
15 カンティブレーキの装着
16 ブレーキケーブルのセット
17 フロントキャリアの装着
18 ペダル、トゥクリップ、トゥストラップの装着
19 泥よけの装着
20 電装部の装着
21 浅麓堂直伝・コットンバーテープの巻き方
22 各部の調整 |